「引っ越し大名」という映画が2019年公開予定です。
実在の大名、姫路藩主の松平直矩がモチーフになっていますよ。
この人は、生涯に7回も国替(くにがえ)をさせれられ、「引っ越し大名」とあだ名させられたとか。
そもそも、この「国替」とは一体何なのか。聞きなれないこの言葉について紐解いていきます。
大名のお引越し「国替」とは?
「参勤交代」なら、小中学校で、社会の授業で習います。
参勤交代は、1年置きに自分の領地と江戸を行き来した制度です。「参勤」は江戸に行くことで、「交代」は、自分の領地に戻ることを意味します。
目的としては、謀反を防ぐこと。
妻子を江戸に住まわせることでの人質の意味合いと、参勤交代にかかる費用を大名に負担させることで、経済的に弱めることが狙いでした。
戦(いくさ)をするには、お金がかかりますので、その資金を断とうということです。l
また、大名が参勤することで、江戸を守るという意味合いもあったようです。
参勤交代は1年置きなので、現代的に言えば、引っ越しというより、転勤・出張の方が合っていますね。
一方、国替です。
この言葉は、平安時代からすでにありました。
国司という役職の人が、ある任命された地を望まない場合、他の場所に任地を変えてもらった時に使われるのです。
国司とは、中央集権国家を作る仕組みの中で、中央から地方に派遣された役職です。
江戸時代に使われた国替は、幕府が大名の領地を替えることの意味でした。
この場合は、「引っ越し大名」と銘打たれた映画にもあるように、まさに「引っ越し」です。
国替は「転封」、「移封」とも呼ばれますよ。
国替はなぜ行われた?
国替はなぜ行われたのでしょう。
主な理由として賞罰があります。
江戸幕府が定めた法律に「武家諸法度」があります。
これは、大名の統制をとるための法律なのですが、この中に、改易(領地の没収)、減封(石高の削減)、そして、国替がありました。
大名の統制をとるために、国替はあったのです。
賞罰は、現代的に言えば、栄転だったり、左遷の意味合いでも使われていたようですね。
他には、大名自身からの申し出での、国替もありました。
引っ越し大名とあだ名された松平直矩は、7回も国替をされたのですから、色々事情があったのでしょうね。
映画も面白くなっているのではないでしょうか。
まとめ
大名の引っ越し、「国替」について紹介しました。
幕府からの命で、賞罰の意味合いとしてさせられていたようです。
現代では、選挙の時に選挙区を変えて立候補する際にも、国替と俗に使うことがありますよ。(おわり)